吉野杉の山へ ~vol.2
道をつけるー
道を利用し、山へ入り、木を切り出す。
道があるから、新たに人が山に入っていける。
山は硬いところと柔らかいところがあり、どこを選んで道をつけるかが大切で、岡橋社長もこの技術を受け継ぎ、自ら20km の道を10年かけ整備されてこられたという。
山を育み続けた先人達が、山と平野をつなぐ要として、伝え続けた技術なのだろう。
実際につくられた道を通って、いよいよ山林へご案内頂くことになった。
その道はー 運転して下さったスタッフの方の腕に感動しつつ、ゴーカートさながらの揺れ、
本当に手作りの道なのですね、と思う間もなく、あっという間に山深くー
吉野特有の密植間伐によって育てられる木々は、
立派なものは樹齢300年と、その堂々たる姿は神々しくさえある。
どの杉林にも、綺麗に陽の光が差し込み、
清らかな光、清光林業のお名前はここから来るのかと深く頷いた。
まだ若く見える林も、樹齢100年をゆうに超える。
まさしく未来へ向けた仕事で、先人が育ててきた杉を、何世代目かにあたる岡橋社長が切り出す。
そして苗を植えるー
ここまで育てるのに、30回くらいの間伐が行われる。
苗は、この地の大木の種で実生(みしょう)から育てられ、ある程度の大きさになった後に、山に植えられるそうだ。
小さいうちは、鹿などに食べられてしまうらしい。
発芽したての小さな杉の赤ちゃんを、
大きくなったら会社の敷地に植えるのだと大切に抱えて大喜びの帰路。
この杉が大きく育つ頃には、代替わりしているのだなあと、
後から未来を思った。
明治神宮の修繕にあたって切り出された杉の切り株
岡橋社長が見つけて下さった、小さな杉。
「杉子ちゃん」と命名。
山を育てることの大切さを知って貰うため、地元の人たちへの機会提供にも励まれている